2024年06月05日

APSー3:XT-6用ローマウントベースの製作

APSー3:XT-6用ローマウントベースの製作


APSー3:XT-6用ローマウントベースの製作
↑APS-3にXT-6を出来るだけ低い位置に
搭載するためのマウントベースが
切削痕も鮮やかに出来上がって来ました。
リアサイトを外してマウントベースを設置する方式は、以前フロンティアさんから販売されていたのですが、最近はネット市場で見かけません。。実際の使用は御堂筋SCの練習会でお一人いらっしったのを目撃しています。その方は私が買いそびれたブルーのXT-6(欲しかったやつや)を私と同じLE2020のリアサイト側に搭載されていらっしゃいました(カラーの統一感が思った通り良かったです)。
マウントの固定方式等はリアサイトのそれをエレベーション機能を除いて踏襲するしかないので同じだと思います。。製作で大変だったのは、チャンバーブロックの内外等を正確に計測する事でした。結果は、切削痕のヘアラインを消すぐらいの磨き込みで極めてタイトにガタツキ皆無でチャンバーブロックに収まり、リアサイトの固定ピンとコッキングレバーの支点となるピンも穴の位置の狂い無く無事打ち込める事ができました。
 
 今回のポイントとなる部分は、ローマウント仕様にした事です。APS-3のチャンバーブロックの上部のラインから3.5㎜下げています。銃本体のグリップへの取付角度を可変にしたので 将来を見据え相応のクリアランスを設けるためグリップ上部より1.5㎜の隙間を空けた設計にしました。勿論強度を意識してベースの厚みも最低限確保しています。
 ローマウントにする意味は、エアガン界でも周知の事実であるパララックス(視点ラインと弾道の差幅)を可能な限り小さくする事の優位性を享受することにあります。実銃ライフル射撃競技の様に10mや50m等の距離が一定の場合はさほど気にする事なく、ハイサイトやオフセット機能を使って正しい目の位置や頬付けを確保する事が有利になります。しかし、APSのハンドガンのシルエット競技は、距離の変化があり、ブルズアイのゼロインの箇所である5mで視点ラインと弾道はクロスし、シルエットで最短距離の6mでは着弾点が上方になります。以後弾道の落下が始まり7mでほぼ正照準に戻り、以降は放物線を描いて落下の一途だと一般的に言われています。。。このクロスラインの角度を小さくする事で、視点と着弾点の広がりが抑えられる優位性は図示すればもっと明確なのですが、放物線を描くことが出来るソフトの持ち合わせが有りません。エクセルの線グラフで書けそうですが物理と数学の頭に戻す元気は今更ありませんので悪しからず省略します。
 以前、御堂筋SCの射撃教室でパララックスの解決法について質問すると、的の位置は変わるが決まった距離なので、各距離でのデーター取得量の豊富さで解決するのみ という王道の回答を頂きました。漫然と勘で撃って経験値で修正するのでは時間が無駄という事です。実際に10mのレンジを長時間使用して、BB弾を特定後、更に直径を統一して、変動要素である気温・気圧・湿度、更に銃のコンディション等を 記録して、シルエット競技の各標的地点での着弾点データーを取って、自分の弾道が読める様になってからが始まりのようです。厳密に言えば競技会場の空調機器の吹き出し口の位置や風量なども弾道予測要素の一つでしょう。
でも関西にはAPS環境が整った10m常設レンジはほぼ無いですよね。
てな訳で取り敢えずは、ローマウントにしてデバイス面のマイナス要素だけでも改善しておきたいって言う帰結です。
 スタイヤーのグリップ在りきのサイズ感での制作ですので、ORや他のグリップ使用の場合は、低くマウント出来る範囲が広くなるのか狭くなるのかは未検証ですが、変わって来ると思います。私ならORのグリップであれば惜しげなく削りますが。

APSー3:XT-6用ローマウントベースの製作


 反省点は、XT-6下面前方にあるピン穴で位置決めするピンの設置を省略した事です。グロック等のマウントでは色んな種類のダットサイトに適用できるように省略している物が多いのですが、XT-6の固定用ネジ穴のクリアランス幅が大きめで、2本のネジ止めだけでは常に一定位置で固定できない構造でした。ワンオフパーツの製造工賃も年々上がり、何を省略するか苦渋の決断を強いられる事が度々あります。毎回同じような反省が生まれていますので、自分の為にも言及しておきますが、ちょっと工作が面倒になるなとか、別パーツの調達が必要とかで考える事を怠った箇所は必ず後に禍根を残す事になっています。
 リアサイトを下ろし、XT-6を搭載後 我がAPS‐3の重量は924gとなり、僅か6gですが軽くなっています。LE2020のリアサイトはフルアジャスタブルでアルミ切削のようですが部品点数も多く、ましてORと共通の基幹部分がジンクダイカスト製で、見た目より重いようです。
実測ではリアサイト一式が68.2gでXT-6本体が41gですので、今回のローマウントは21gで仕上がったようです。
ダットサイト搭載で、まさか軽くなるとは思いませんでした。銃のバランスが大きく変わらなかった事も今回の収穫です。
APSー3:XT-6用ローマウントベースの製作

↑撮影のアングルでフロントサイトの根元まで見えていますが、実際に目で見るとフロントサイトのみが見えます。
 ローマウントにした効用で、レンズ内にフロントサイトが見えます。これにより恥ずかしながらダットを見失うことが無くなり、更にこのサイトピクチャーを覚えておけば、電池切れ等のXT-6のトラブル時にも対応できそうです。最近はEVO10グリップの効用で、目を閉じて普段通り握って射撃姿勢に入り目を開けると理想に近いサイトピクチャーが臨める機会が増えています。的との一致までは程遠いですが。
 ダットサイトを積む一つのデメリットですが、ダットが明瞭で精密に的を狙う事が出来ますが、その分 手ブレを細かく捉えてしまう、言い換えれば細かい手ぶれが見えてしまう事だと思います。オープンサイトではフロントサイトに目の焦点を合わせ、的はボンヤリ見るのが正しいとされていますので(諸説あり、リアサイトに焦点を合わせると記された物も)、全てを凝視せず止まって見える瞬間があるような気がするのですが、、 、 。
 
そろそろこれ以上のカスタムの余地が無くなって来ましたので 射撃姿勢で時間が止まったかのように静止出来るよう練習しますね。(練習するって毎回言ってますが)
もしもピッタリ止まっていたら遠慮無く声を掛けてみて下さい。息を止めすぎて死後硬直しているだけかもしれませんので。

 後始末はポケットに例の金のコインを忍ばせておきますので、どこからとも知れずやって来る 黒服の奴らに引き渡して下さい。





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Posted by you-2 precision  at 18:18 │Comments(0)APS-3片手射撃APS

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